blog002:治療、そしてセルフケアへ

痛みを和らげるために〜ゼニタの想い〜

皆様、こんにちは。名古屋市の千種駅前を拠点に活動している、銭田治療院千種駅前の院長、銭田良博(ぜにたよしひろ)です。

本日は、治療とセルフケアの考え方について、お話させていただきます。

■キュアとケア

パーソナルトレーナーによるトレーニング指導患者様から「早く治したいのですが、どうすればよいのでしょうか?」とよく問いかけられます。

そういった問いかけに対し、私はいつも「治療は私たちが全責任を持って行います。皆様は治療ではなく、自分自身のケアに集中していただきたい。」とお伝えしています。

医療機関での治療(キュア)に対し、患者様が自宅で行っていただきたいものをセルフケアと呼びます。「キュアとケア」とセットで呼ばれることも多くあります。非常に似ている言葉ではありますが、大きな違いがあることを知っていただきたいのです。

皆様が自分自身で「治療」を試みた時に、手段・頻度・回数といった大切な「処方箋」を守らなかった結果、かえって症状を悪化させることがあるのです。

■適切なセルフケアを行うために

理学療法士による治療セルフケアとは、日常生活の中で自らの健康を維持・増進するための自己管理のことを指します。そして、そのセルフケアを行うための専門家による具体的なアドバイスや指南を「生活指導」と称します。この「セルフケアと生活指導」に関しては、次の次のブログ『効果的なセルフケアを実現するために』でご紹介していきすので、そちらをご参照ください。

セルフケアの方法については、優秀な医師やセラピスト(治療家)が適切なアドバイスをしてくれます。患者様の早期回復を真剣に願っているのであれば、必ずセルフケアに対するアドバイスしてくれるはずです。アドバイスをしない医療専門家は、セルフケアに関心がないのかもしれません。

適切な方法、頻度、回数を正確に教えてもらい(場合によっては指示のメモや図をもらってください)、その方法に従って行動するように努めてください。そして、その経過をアドバイスをしてくれた医療専門家に詳しく報告してください。

セルフケアを行った際の症状の変化や詳細な経過報告は、医療専門家が患者様を早く回復させるための有益な情報になります。是非とも報告をしてください。このコミュニケーションによって、次の「治療」にも良い効果が生まれます。

さらに、セルフケアに関連する「ヘルスケア」と「シックケア」についても簡単に説明させていただきます。

「ヘルスケア」は健康を維持するためのケア全般を指します。特に東洋医学では「未病(発病には至らないものの健康な状態から離れつつある状態)」の概念を大切にし、「セルフケア」の一環として「養生(ようじょう)」という考え方が取り入れられています。

「シックケア」は、病気になった際のケアを意味します。医師や治療家のアドバイスの下、適切なセルフケアを行うことで、早期回復と再発防止に繋がります。

■ヘルスケアの重要性

ヘルスケアに関しては、経済産業省もヘルスケアの重要性を認識し、ヘルスケア事業を国家プロジェクトとして推進しています。この取り組みの背景には、医療や介護の費用の削減が期待されていることが挙げられます。詳細はこちら(経済産業省のサイトを表示)で確認できますので、ご興味のある方はご覧ください。

皆さんが積極的にセルフケアを取り入れることで、健康寿命が延び、QOL(Quality Of Life、生活の質)が向上するとともに、医療や介護にかかる費用の軽減が期待されます。

■次回に向けて

みなさまを悩ませている様々な症状の重要な要素として「痛み」「睡眠」「栄養」が挙げられます。ここからしばらくは皆様が最も関心がある「痛み」に関して取り上げます。その後に、健康に直接結びつく「睡眠」と「栄養」に関しても取り上げていく予定です。

次回のブログでは、「痛みをコントロールするために」として、痛みをどのように捉えるか、治療方針を立てるための基本的な考え方に焦点を当てて詳しく説明いたします。

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