皆様、こんにちは。名古屋市の千種駅前を拠点に活動している、銭田治療院千種駅前の院長、銭田良博(ぜにたよしひろ)です。
今回は「それ、本当に肩こりですか?」と題して、「首こり」に対する生活指導をお届けします。
■現代の生活習慣からくる首こりにご注意
一般的に、「肩こり」については頻繁に耳にしますが、「首こり」はあまり聞き馴染みがないと思います。しかしながら、近年パソコンのデスクワークや長時間に渡りスマートフォンやタブレットを見る生活習慣が増えた結果、「首こり」が「肩こり」よりも多くなっています。
首こりの肩こりと異なる点は、こる場所の違いだけではなく、目を長時間使うことが原因となることです。首こりが長期化すると肩こりを引き起こし、さらには頭痛、背痛、腰痛へと広がります。
多くの場合、初めは肩こりや頭痛だと思われていたものが首こりが根本的な原因だとわかるのです。
そのため、私たちは「再発防止」を目的とした生活指導を重視します。「未病を治す」予防が最善ではありますが、首こりの症状は本人が気づきにくいものであり、専門の治療家(セラピスト)でないと判断できないことが多いのです。
■首こりはなぜ起きるのか
首こりの原因となるのは、肩甲骨周囲の硬さ、猫背、頚椎のアライメントの不整(本来の位置からずれている)、首のファシア(筋膜)や後頭下筋群の硬さなどです。頭痛や肩こりが頻発し、それらの治療が効果を示さない場合、首こりが原因である可能性も考えられます。この場合は、首こりに関して専門的な知識と経験が豊富な治療院で診てもらうことをおすすめします。
生活指導において最も多く行うものは、首こりを引き起こす姿勢の改善、そして首の周りを温めることです。
首こりになりやすいのは、長時間スマートフォンやiPad、パソコンを使ったり、読書や新聞を読む時の不適切な姿勢を続けることです。
こうした「首こり」への対応方法は簡単です。
・見る対象を自分の正面に置くこと
・頭を傾けないようにすること
この二つが最も大切ですが、合わせて次のことにも留意してください。
・首をすぼめないように視界を合わせること
・肘掛けなどを使って上肢の負担を軽減すること
・約1時間ごとに姿勢を変えること
たったこれだけのことをお守りいただければ、首こりの大半は軽減されます。
このほか、飛行機や電車のシート、ソファーや椅子でうたた寝することも首こりの原因となります。長時間の移動の際にはどうしてもその場でうとうとしてしまうこともよくあると思います。そのような際には、首を固定して眠るためのグッズを使うと良いでしょう。特に頻繁に出張や外出がある方には、そのようなグッズをお勧めしています。
■首こりを解消するために
また、疲労軽減策としては温熱刺激や電位治療ができるマット類がありますので、そう言った治療器具をお使いになることもお勧めします。
首こりに対する生活指導で次に多いのが、首こり体操や肩甲骨周りの運動の指導です。首こりに有効なものとしてはストレッチがありますが、首こりの原因は人により異なるため、自分に適した運動を見つけるために、信頼できる治療院を訪れて指導を受けることが重要です。
その際には、運動の方法や量をきちんと指導してもらい、指示された方法や回数を必ず守ってください。
体調が悪い時や熱がある時、寝不足などの場合は、無理をしないでくださいね。
自分自身が首こりになる原因を理解していないと、首こりを繰り返したり、症状が長引いたりします。生活指導を通じて、首こりの原因が生活リズム、仕事、習慣、睡眠不足、運動不足のどれであるかを把握できると思います。寝具や枕にその原因があることも考えられます。
首こりになる仕組みを理解し、生活指導を守りセルフケアを行うことができれば、どんなに忙しくても快適な生活を送ることが可能になるのです。
次回は「腰痛に対する生活指導(職場編)」というテーマでお届けします。