blog014:腰痛に対するセルフケアその1(ストレッチ&運動トレーニング編)

痛みを和らげるために〜ゼニタの想い〜

皆様、こんにちは。名古屋市の千種駅前を拠点に活動している、銭田治療院千種駅前の院長、銭田良博(ぜにたよしひろ)です。

今回は、『腰痛に対するセルフケアその1:ストレッチ&運動トレーニング編』について、お話します。

■ストレッチを行う際に気を付けるべきこと

スポーツも含めた運動前後で、一番行われる頻度が高いセルフケア方法がストレッチング(ストレッチ)です。ストレッチは現在、全国チェーン専門店でも行っていますが、そのお店でストレッチの仕事をしている人は医療資格を持っていない人達がほとんどです。その場合、身体のどこかに痛みが生じている方がその痛みを改善する目的でストレッチ専門店に行くと、かえって痛みが取れずさらに痛くなることがありますのでご注意ください。

腰痛に限らず、痛みがある場合のストレッチをセルフケア方法として取り入れる場合は、痛みの原因を整形外科クリニックのリハビリテーション科や鍼灸マッサージ治療院、または接骨院(整骨院)で明確にしてから、その状態にあったストレッチの方法を医療専門職から教えてもらうことが適切です。

■ストレッチの種類とその目的

ストレッチには、主に2種類の方法があり、ダイナミック(動的)ストレッチングと、スタティック(静的)ストレッチングが挙げられます。

ダイナミックストレッチングの代表的なものは、NHKで毎朝放映されているラジオ体操です。体全体を大きく動かすことで血行を促し、全身の筋肉を柔らかくします。

スタティックストレッチングの代表例は、反動をつけずに行い、最もストレッチしたところで止めるやり方です。特定の部位を伸ばす目的がある場合に適しています。

これら2つのストレッチは以下の要素に基づいて使い分けます。

・スポーツ競技およびその競技に於けるポジション
・身体のどこを痛めているか(痛めている部位)
・練習前・試合前に行うか、練習後・試合後に行うか(タイミング)
・朝起きてから夜寝るまでのどの時間帯に行うか

腰痛に対するストレッチについても、まず最初にご自身の腰痛の原因がどこにあるかを、医療専門職の方に必ず確認してもらうことが重要です。

■全身の筋肉のつながりを意識する

下にある全身のイラストをご覧ください。

赤い部分が筋肉、白い部分が筋膜と呼ばれる組織です。腰の白い組織(胸腰筋膜と言います)は腰の周りの赤い色の組織と繋がっています。そして、腰の白い組織の下には、赤い色の組織が入り込んでいます。

ストレッチを行う際には、この様な筋肉や筋膜のつながりを意識することが大切です。日頃から指導や施術を受けている専門職からのアドバイスを受けることをお勧めします。

■発痛源(痛みの発生源)を特定する

左のイラストは、第3腰椎の断面図をご覧ください。筋・神経・血管・筋膜などの様々な組織が層構造になっているのがお分かりただけると思います。

身体を構成する組織は、筋・神経・血管・筋膜などで構成されており、直接的・間接的に影響を与え合っています。発痛源の違いにより、痛みを取り除くための効果的なストレッチング方法が異なるのです。

ストレッチング方法のアドバイスは、アマチュアのセラピストや整体師ではなく、解剖学を正しく学んでいる医療専門職から受けることは非常に重要です。

■安心して治療を受けるために

あなたを担当している先生に、腰のストレッチングを教えてもらう際、以下の解剖学的用語を質問してみればその先生が正しい解剖学的知識を有しているかがすぐ分かります。

・胸腰筋膜(きょうようきんまく)
・多裂筋(たれつきん)、最長筋(さいちょうきん)、腸肋筋(ちょうろくきん)
・広背筋(こうはいきん)
・内腹斜筋(ないふくしゃきん)
・腸腰靱帯(ちょうようじんたい)
・仙腸関節(せんちょうかんせつ)
・円背(えんぱい)や腰椎アライメント異常

これらの用語に関する質問を通じて、適切な指導を受けられるかどうかの判断材料にしてください。

あなた自身の身体を預けられ、信頼関係を築き上げることができる医師や治療家と出会えることを、一人の治療家として強く望みます。

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