皆様、こんにちは。株式会社ゼニタ・銭田治療院千種駅前院長で鍼灸師&理学療法士の銭田良博(ぜにたよしひろ)です。
日々の臨床の中で、「手や手首の痛み」に関するご相談は非常に多く寄せられます。これは整形外科やリハビリテーションの現場に限らず、パソコンやスマートフォンを日常的に使う現代人すべてに共通する課題と言えるでしょう。
今回は「職場環境」という視点から、手や手首の痛みを予防・改善するための生活指導をご紹介します。
■なぜ職場で手や手首が痛くなるのか?
現代の職場では、以下のような習慣が手や手首に大きな負担をかけています。
スポーツによる肘痛は、
- 長時間のデスクワークやPC操作(キーボード・マウス)
- 書類整理や手作業の繰り返し
- スマートフォンやタブレットの多用
- 力仕事、工具の使用や重い荷物の持ち運び
- 狭い作業スペースや不適切な机・椅子の高さ
これらの「同一姿勢」や「反復動作」は、腱鞘炎や手根管症候群などを引き起こしやすく、慢性的な痛みやしびれの原因となることもあります。
■職場で今すぐできる改善のポイント
①デスク・チェアの調整
- 肘が自然に約90度に曲がる高さに机と椅子を調整
- 手首が反らないよう、リストレストや肘掛けを活用
- モニターの高さは「目線の高さ」または「やや下」が理想
②キーボード・マウスの使い方
- キーボードは手首を浮かせすぎず、反らない位置で使用
- マウスは手首ではなく、腕全体で動かすよう意識
- トラックボールやエルゴノミクスマウスの導入もおすすめ
③休憩とストレッチの習慣化
- 1時間に1回、1〜2分の手首ストレッチを取り入れる
- 肩や首まわり(肩甲帯・頸部)も一緒にほぐすことで、手首への負担軽減に
■オススメの簡単ストレッチ
長時間同じ姿勢を続けることで、筋肉が硬くなり、血液やリンパの流れが悪くなります。その結果、浮腫み(むくみ)が生じたり、関節や腰に痛みを感じやすくなり、場合によっては関節炎やぎっくり腰の一因となることもあります。適度な休憩と、こまめなストレッチを心がけましょう。
◆手首の背屈ストレッチ
- 片腕を前に出して、手のひらを下に向ける
- 反対の手で指先を下方向に軽く引く
- 手首の内側が伸びるのを感じながら10秒キープ
◆手首の掌屈ストレッチ
- 同様に手を前に出し、今度は手のひらを上に
- 指先を上方向に引き、手首の外側を伸ばす
- 呼吸を止めずに、10秒キープを2~3セット
仕事の合間に、ほんのちょっとの時間のストレッチをしましょう。それだけで、健康状態が改善されるだけでなく、仕事の効率もきっと上がるはずです!
■銭田治療院からのアドバイス
ゼニタグループの治療現場では、職場環境の評価に基づいた具体的なアドバイスを大切にしています。
手や手首に不調がある場合は、「姿勢」や「使い方」を見直すことが、何よりの予防策です。また、超音波画像診断装置(エコー)による手関節の腱や滑膜の評価をはじめ、鍼灸・物理療法・運動療法を組み合わせたアプローチで、自然治癒力を高めるサポートも行っています。
■今回のまとめ
✅ 職場環境は、手や手首の痛みに大きな影響を与えます。
✅ 姿勢・道具・習慣の工夫によって、痛みの予防が可能です。
✅ 違和感を覚えた段階で、早めに専門家へ相談することが大切です。
次回は「その2:生活住環境編」として、日常生活の中でできる手首のケアをご紹介します。どうぞお楽しみに。