blog027:手や手首の痛みに対する生活指導その2:生活環境編

痛みを和らげるために〜ゼニタの想い〜

皆様、こんにちは。株式会社ゼニタ・銭田治療院千種駅前院長で鍼灸師&理学療法士の銭田良博(ぜにたよしひろ)です。

前回の「その1:職場環境編」では、仕事中の手や手首の痛みを予防するための環境改善についてご紹介しました。

今回は視点を変え、「生活住環境」、つまり家庭での過ごし方や動作、住まいの構造などが手や手首に与える影響と、その対策についてお話しします。

■家の中に潜む「手首ストレス」とは?

家庭内で手や手首を酷使する場面は意外と多く、以下のようなシーンが代表的です。

  • スマートフォンの長時間使用(ソファに座ってうつむいた姿勢など)
  • 洗い物や調理など、台所での繰り返し動作
  • 洗濯物の持ち上げ、干し、たたみ作業
  • 掃除機がけや雑巾がけによる手首への圧負荷
  • 寝具や布団の上げ下ろし、収納作業
  • 重い扉や引き出しの開閉動作

特に育児・介護・家事を日常的に担っている方にとっては、これらの動作がルーティンになっており、手関節への慢性的な負担が蓄積しやすくなります。

■家庭内での痛みを予防するポイント

①スマホ・タブレットの使い方を見直す

  • 寝転んでの使用は避け、目線と同じ高さで支える習慣を
  • 長時間使用時はスタンドやクッションで手をサポート
  • タイマーやアプリで使用時間を可視化するのも有効

②キッチン作業の工夫

  • 手首に負担のかかる作業(切る・絞る・混ぜる)は、両手や道具を活用して動作を分散
  • 流し台や調理台の高さを見直す(目安は「身長÷2+5cm」)
  • 疲労を感じたら、無理せず一時中断しストレッチを

③収納や掃除の“姿勢”に注意

  • 腰を曲げず、膝を使ったしゃがみ動作を意識
  • 高い位置の収納には踏み台を使い、無理な手伸ばしを避ける
  • 雑巾がけは手首を回すのではなく、腕全体で押すように

■簡単・省スペースな手首ケア法

家庭内でも実践できる、シンプルなセルフケアをご紹介します。

🔸 温熱ケア
洗面器に40〜42℃のお湯を張り、手首から前腕までを3〜5分温める
→ 筋肉の緊張を緩め、血行を促進

🔸 軽いストレッチ
寝る前や家事の合間に、手首の屈伸ストレッチ(反らす・曲げる)を10秒ずつ

🔸 指のグーパー運動
手を軽く握ったり開いたりを10〜20回繰り返す
→ 指先から前腕までの“筋ポンプ作用”を高め、むくみの予防にも効果的

■銭田治療院からのアドバイス

「生活の中で無意識に繰り返される動作こそ、痛みの原因になりやすい」
これは、私たちゼニタグループの現場で、患者様から学んだ大切な教訓です。

家庭内での動作や姿勢を意識して見直すことが、最大の予防策となります。

もし手や手首の痛みが長引くようであれば、超音波画像診断装置(エコー)による関節や腱の評価や、鍼灸・物理療法によるアプローチを早期に取り入れることで、回復までのスピードを高めることができます。

超音波画像を患者様ご自身の目で確認いただくことで、マッサージなどの施術による変化を『見えるかたち』で実感できるのも、当院の特徴のひとつです。

■今回のまとめ

✅ 家庭内の何気ない動作にも、手首への負担が潜んでいる
✅ 姿勢・高さ・使い方を少し変えるだけで、大きな改善効果
✅ セルフケアの継続と、早めの専門相談が大切です

次回は「その3:スポーツ編」として、スポーツを楽しまれる方や部活動に取り組む皆さんに向けて、手や手首を守るためのポイントをお届けします。お楽しみに!

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